そしていつかわたくしは町から西南の方 2014年08月22日(金) 店長日記 行くみちへはいってしまっていました。 向うからは黒い着物に白いきれをかぶった百姓のおかみさんたちがたくさん歩いてくるようすなのです。わたくしは気がついて、もう戻ってしまおうと思いま した。全くの起きたままチョッキだけ着て ‥‥ 「そしていつかわたくしは町から西南の方」の続きを読む
遁げた山羊 2014年08月22日(金) 店長日記 五月のしまいの日曜でした。わたくしは賑(にぎ)やかな市の教会の鐘の音で眼をさましました。 もう日はよほど登って、まわりはみんなきらきらしていました。時計を見るとちょうど六時でした。わたくしはすぐチョッキだけ着て山羊を見に ‥‥ 「遁げた山羊」の続きを読む
そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。 2014年08月22日(金) 店長日記 十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給(ほうきゅう)もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。 殊にそのころ、モリー ‥‥ 「そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。」の続きを読む