ファゼーロがそっちへ向いて高く叫びました。向うの声はやみました。

「あるよ。だってまだこれどこではないんだもの。」 「こんなに方角がわからないとすれば、やっぱり昔の伝説のようにあかしの番号を読んで行かなければならないんだが、ぜんたい、いくらまで数えて行けばポラーノの広場に着くって?」 「五千だよ。」 「五千? ここはいくらと云ったねえ。」